メリーランドの家
「メリーランドの家」は、1976年にメリーランド州でセバーン川への眺望を生かして建てられた、夫婦と子供二人のための木造平屋建て住宅です。
この建築はいつもと違って、依頼者の夫人によるスケッチを元にして基本設計の平面プランが図面化されたそうです。
右側の平面図と隣合わせで展示された左側のスケッチからは、建築のアマチュアでありながらも”いいものを一杯集めてよく勉強”した雰囲気が伝わってきます!
そこに盛り込まれたアイディアのうち、南側の池に架けられた橋を渡るアプローチは、「ニューヨーク郊外のゲストハウス(1962)」や「ジャパンハウス(1971)」を、
空間が繋がるように間仕切りを兼ねた暖炉は、フランク・ロイド・ライトの空間構成から再編されているように思われます。
また、平面計画は北向きで東西方向に長く、その中央の玄関とリビングから東側にダイニングとキッチンが配置され、更に裏動線が納戸とガレージまで繋がっていきます。
西側には夫婦のための寝室と書斎等がまとめられ、その奥に子供たちの寝室と小さなキッチン付の娯楽室等が配置されていて、それぞれの部分に出入り口が設けられています。
原案の通りに配置されている「親」と「子」部分は動線を考えると逆にすべきでは?と考えましたが、建物外側の「子」部分を独立してホームパーティーが開催できる計画になっていることを教えていただきました!
建築時の写真から、外壁の縦押縁と屋根のシングル葺は木材を素地のまま仕上げていた様子が分かりましたが、白く塗装された室内のインテリアは住まい手の嗜好で装飾されているようで、建物の内外で異なった印象を受ける設計になっています。
別棟で建てられた「スタジオ」は、原案のスケッチでは母屋の西側に配置されていましたが、基本設計で母屋の東側に変更されています。
確かに、この「スタジオ」を素人離れした夫人のための建築と推測すれば、その配置は「子」部分の娯楽室等よりも、東側の裏動線に繋げた方が使いやすくなると思われます。
基本設計は母屋とは違ってスケッチの通りではなく、原案から新たに計画されています。更に、実施設計ではそのプランが左右反転されたようです。
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