自由学園明日館のガイドツアー
自由学園明日館のガイドツアーでは館内を職員さんに案内していただき、なかなか聞くことの出来ない楽しいお話を伺うことができました。桜が満開で天気も良くお花見日和!普段は入れない芝生が開放され子供たちが元気に遊んでいます。建物は左右対称のデザインで、中央のホール両側が主なエントランスになっています。その天井は低く、『モデュロール兄弟』よりも背の低い「人体」が立つとこんな感じになります。エントランス部分は屋外から天井と壁がそのまま室内まで繋がり、その奥の天井には照明器具とトップライトが一体的にデザインされています。
遠藤新がデザインしたテーブルの天板と椅子の座面が二つに分かれているのは、主な部材を同じ規格の木材を使って作れるようにした工夫です。建物と同じく、テーブルと椅子もできるだけオリジナルの部材を使って再生され、多くのオリジナル材を使った物の方が、より重くなっている『らしい』そうです。ガイドツアーでは講堂の室内も見学することができました。遠藤新の設計による講堂のエントランスも、明日館の中央棟と同じく低い天井に合わせてドアが大きく設けられています。
ホールの低い天井もエントランスから同じ高さで続いていて、その上部は吹抜けに面したバルコニーになっています。中央に位置する大谷石の暖炉と煙突は自立した構造で、保存修理の際にも分解されていないそうです。
吹抜部分では屋根の形がそのまま天井に表されていて、庭に面した大きな窓は高価なステンドグラスの代わりに木材の窓枠や桟でデザインされています。窓ガラスには残されたオリジナル材も使われていて、見比べると平坦さに違いが判ります。この窓を開ける事は珍しいそうで、テーブルに桜の花びらが舞い落ちていました。ホールの北側にはスキップフロアの食堂が配置され、ここから南側上階のバルコニーへ繋がっていきます。室内奥の天井が下げられた部分は竣工前に増築された部分で、北・東・西の三ヶ所の小部屋がオリジナルとして復元されています。また、天井から吊られた照明器具は手作りのため、ガラスの球体は形状が若干違うそうで、電球交換の際は3人掛りで「とても緊張する!」との事でした。
断面模型によってホールとバルコニーの奥にある食堂が、中二階の高さになっていることが解ります。別の機会に撮影した暖炉です。本来は火気厳禁の『重要文化財』ですが、今でも特例で使われているそうです。F・L・ライトは落水荘の図面で暖炉を「hearth(炉辺・家庭)」と表記し、温暖な地域にある住宅であっても、必ず中心に暖炉を設えたそうです。床に敷かれた大谷石にもオリジナル材が残されていて、その石から手仕事のテクスチャーが伝わってきます。各教室には庭に面した回廊から行き来します。そこには古代の建築のように列柱が建てられていて、その一部の柱では雨樋が内部に隠されています。ベニヤ板で作られている建具のドアノブは、通常よりも高く付けられています。当時の生徒達には更に高く感じられそうですが、その理由は解からないそうです。遠藤新がデザインしたテーブルの天板と椅子の座面が二つに分かれているのは、主な部材を同じ規格の木材を使って作れるようにした工夫です。建物と同じく、テーブルと椅子もできるだけオリジナルの部材を使って再生され、多くのオリジナル材を使った物の方が、より重くなっている『らしい』そうです。ガイドツアーでは講堂の室内も見学することができました。遠藤新の設計による講堂のエントランスも、明日館の中央棟と同じく低い天井に合わせてドアが大きく設けられています。
2階席の下は暖炉がある小さなホールになっています。
更に階段を上がるとバルコニーに出られ、そこからも桜の花を眺めることができました。
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