奈良国立博物館(現)西館

 

「奈良国立博物館(現)西館」は、仏教美術を展示収蔵するための博物館で、1970年の着工までに様々な条件を解決しつつ設計されたそうです。
外観からは「高床式校倉造り」がモチーフ?と感じられますが、そうではなく、ギャラリーで『設計するに当たって、吉村が思ったこと』を解説していただきました。
その設計意図には、建築される公園の景観に配慮して、防犯と鹿よけのために外周を池で囲み、防湿のためにも主階を持ち上げていること、そして、来園者の目線を遮らない様に1階の柱を少なくし、勾配屋根と庇で雨と日射を遮ることなどが書かれています。
建築の時代や構造が違っていても、それぞれが『形態と機能の一致』した誠実なデザインだと思います!

展示されたこの外観パースは鉛筆だけで表現されていて、水彩絵の具などは使われていないそうです。
池の水面に写った建物や植栽と樹木、よく見るとガラスの奥にあるスロープや人影まで細かく丁寧に描かれていました!
開口部などに設計の変更がありますが、竣工写真と比べると建物の姿を正確に表していることがわかります。

この写真は2015年に撮影したものです。
1997年には東新館が建築され、中央エントランスホールから西新館と連結されています。

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