国の特別名勝と特別史跡に指定されている浜離宮恩賜庭園は、東京湾の海水を引く池を回遊する築山泉水庭です。
その「潮入の池」の畔には、戦災によって焼失していた複数の御茶屋が復元されています。
「燕の御茶屋」は復元工事が2015年に完了しているため、白木や漆喰が新しくきれいな建築になっています。
建物の外周がアクリルの建具で覆われていて不思議な感じですが、どうやら雨戸の代わりに設えられた建具で室内の様子を解るようにしているようです。
同じように「松の御茶屋」も、室内から池の眺望が楽しめるように配置されています。
これは「燕の御茶屋」より以前の2010年に復元された建築物で、下屋が外壁から吊られるように支えられ軽やかなデザインになっています。
「中島の御茶屋」は1983年に復元された建築物で、現在は休憩所として使用されているため室内も見学することができました。
文字通り「潮入の池」の中島に建ち、広い露台が池の上に造られています!気持ちよく感じる場所に時代や文化での違いはないようです(笑)。
残念ながら曇天でしたが、テーブル席のベンチに腰掛け抹茶と菓子を味わいながら、静かに「潮入の池」からの景色を楽しむことができました。
この屋内は座敷を囲むように縁側が設けられていて、露台との境界が連続した開口部になっているため、とても見通しがよく開放的に感じられます。
現代的なガラスの建具や、天井吊りの照明器具が無い時代は、どのような雰囲気だったのでしょうか?
庭園の中にある「花木園」の休憩所は、江戸時代の復元ではなく新たに設計された建築物のようです。
銅板で葺かれた緩い勾配の切妻屋根と、柱や梁など構造が表されたモダンなデザインで、建物中央に架かる瓦葺の屋根が個性的!
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