群馬音楽センター

アントニン・レーモンド設計の「群馬音楽センター(1961)」は、RC造の「不整形折面架板構造」という特殊な構造で躯体の柱や梁がなく折り紙のように建てられていて、扇形の音楽ホール内部でも折板構造をそのまま利用したデザインになっていました。
建物は北向きに配置されていていて、アプローチから正面になるカーテンウォールの奥は1階がロビーで2階がホワイエになっています。
ロビーの両端には個性的な階段が設けられていて、その上階のホワイエにはレーモンドがデザインしたフレスコ壁画の「リズム」が階下から繋がるように描かれ、屋外からも透けて見えるようになっていました。

この建築では工事費の多くが高崎市民からの寄付によって集められたそうで、1階の「レーモンド・ギャラリー」では貴重な写真や模型等が展示されていました。
パネルの『レーモンドと所員(1935)』の写真提供と、『自伝 アントニン・レーモンド』の原稿の寄贈は三沢先生によるものです。
「音楽センター建築案模型」の二作品は、当時レーモンド設計事務所で担当した増沢 洵による計画案で、第1案では歌舞伎の上演について、第2案では望楼の高さによる景観が問題となったそうで、その後にレーモンドの第3案が最終案として実施されたという事を設計に係わった三沢先生に講義していただいたことがあります。
肝心の三沢建築研究所による最終建築案模型は、他の展示会に貸し出し中になっていました・・・残念。

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