九重山荘

「九重山荘」は1960年に竣工した厚生施設で、地下1階と地上2階建てのRC造が国立公園の大自然に建てられています。
敷地の傾斜によって半地下になる地階は、建物中央の玄関ホールから東西方向へ、遠望できる宿泊者用の浴場部分と地中に空堀を設けた管理部分に分けられています。
1階ではラウンジと食堂が開放的になるように柱の数を減らしてスパンが広げられていますが、そこに架かる床梁を小さくするために2階の宿泊室が屋根梁から細いスパンで吊られています!
そのために大きくなる屋根梁は勾配屋根の中に収められていて、そこから吊られた床スラブを逆梁にすることで生じる床下空間が暖房設備等の配管スペースに利用されています!
この建築でも構造と設備が用途のために合理的かつ有機的に組み合わさり、意匠的にも水平ラインが強調された美しいプロポーションになっていることが良く分かりました!!
『純粋』な構造による、目的のために『誠実』で、自然に溶け込む『無私』な形体。そして『(愛情)芸術性』。

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