応接室

吉村順三記念ギャラリーでは、1978年に発行された『SHOJI/障子の本』を閲覧することができます。
そこには、文章の『現代住宅と障子-吉村順三』と合わせて、設計事務所の応接室として使われていた当時の写真と、開口部のディティールが載せられています。
この応接室はギャラリーとして公開されているので、平尾先生による『この応接間で吉村が試してみたかったこと』を読み、実際に体感することができます!


吉村順三記念ギャラリーの応接室の入り口からは、一灯のペンダントライトが天井の中央から吊るされているように見えます。
しかし、室内から観察すれば、照明器具は天井付けではなく部屋の隅から片持ちで支えられ、コンパスのように円弧で可動するデザインになっていることが解ります!
ペンダントライトを移動する場合、階段を数段上がれば回転の支点に手が届くように考えられています!
応接室の照明器具は電球一つで空間全体を重心低く灯しつつも、光源が眩しくならないようにシェードが細く深い形状になっています。
さらに、室内と合われて白く塗装されているため、消灯して器具を部屋の隅に移動させれば目立たず、天井面の中央をフラットにすることができます!

『お寺(の室内空間)がなぜ気持ち良いかわかるかい?』。その問いの答えは、『天井に照明(器具)がないからだよ。』
これは、「吉村順三記念ギャラリー」で聞かせていただいた、平尾先生が学生だった頃のエピソードです。

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