番町の家

 「番町の家」は、1950年に竣工した外国人家族のための木造平屋建て住宅です。
建物は南側の庭に面して東西に幅広く計画されていて、南向きの居室部分はパティオを中心に東側のリビング等の公的部分と西側の寝室等の私的部分に分けられています。
北側にはユーティリティーから繋がる裏方用の水周りも設けられていて、メイド室とその奥に位置する運転手室の共用部分になっています。
そして、ガレージで囲うように設けられた中庭は、キッチン等の通風と採光のためだけでなく、屋外の作業スペースとしても利用されていたようです。
展示された平面スケッチの決定前後を見比べることで、どのように計画が推敲されたのか想像することができました!

リビング部分の断面詳細図には、その背面になる書斎の展開図と合わせて暖炉の詳細図も描かれています。
この図面から屋根の緩やかな勾配による深い軒の出だけでなく、天井の段差を利用した高窓にあわせて空調ダクトと間接照明がデザインされている事が解ります。
南側の深い軒と北面の高窓は、高所からの天空光によって室内を均一に明るくすることができ、さらに外気との温度差を利用した重力換気にも効果的だと思われます!
美しい均整と用途が調和した断面計画です!

コメント

人気の投稿