登録有形文化財の「萩原家住宅(1924)」は遠藤新の設計による住宅で、木造平屋建として竣工した後、露台部分に当初から計画されていた2階の居室が増築されています。
その後には改築された部分もあったそうですが、補修工事によって復元され現在まで受け継がれているそうです!
平面計画は奥行き二間で東西に広がる『一文字』部分に生活の基本部分がまとめられ、その中央部分から北側へ玄関と離れを逆『丁字』型に突出させています。
『一文字』の母屋部分は「居間」中心として、西側に「子供室」と夫人室兼用の「寝室」が並び、東側は「食堂」と「台所」の他に水廻りと女中室がまとめられています。
『丁字』の突出部分には「書斎」が応接間兼用として配置されていて、母屋部分とはトイレや階段のある玄関ホールによってゾーン分けされています!
模型の地面に描かれている灰色のラインは道路を表していて、敷地が欠けている部分の入隅近くに玄関が配置されています。
北側の「書斎」では机と合わせて設えられた窓から、玄関先の来客の姿を見ることができるように計画されていました。
母屋部分は屋根中央の段差によって天井が上げられていて、その空間は東西方向で全長が繋がり、南北の壁面に通風用に開口部が設けてあります。
(現在の室内上部はガラスで仕切られていました。)
オリジナル建築の模型では居間の南側にパーゴラが設けられていますが、現況の建築では無くなっています。
その部分には名残を留めるように設計された渡り廊下と、その先の南側に「音楽室」が増築されていました。
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