目黒の家
「目黒の家」は、1958年に建てられた外国人家族のためのRC造2階建て住宅です。
敷地は広く南北に長い形状のため、道路に面する北側に車廻しのスペースが設けられ、南側に造園された庭との間に生活空間が幅広く計画されています。
その1階には玄関やリビング等の公的部分と裏方部分、2階に寝室等の私的部分と女中室が配置され、それぞれの居室は庭に面して大きな開口部が設けられています。
1階東側の玄関近くには書斎と客室を兼ねたデンが配置され、そこに付属するサニタリーはホールからも兼用できるように直接室内が見えない位置にドアが設けられてます。
そして、居間を中央に両側のデンと食堂が引き込み戸で間仕切られているので、室内の引戸だけでなくガラス窓まで開け放つと庭のテラスとも一体的な空間になります!
北側のホール奥には階段下で目立たないように配膳室のドアがあり、そこから南側の食堂や北側へ突出する厨房とユーティリティーから使用人室等に繋がっていきます。
二層部分の柱断面は正方形ではなく長方形で設計されています。南面から柱を細く見せるためだけでなく、窓の幅を少しでも広くする効果もあると思われます。
そして、2階の屋根にはRC造スラブを覆うように木造の屋根が載せられていて、居室部分では日射熱が屋上のコンクリートへ伝わらないように計画されています!
また、その下部の天井と庇は梁の下端と高さを合わせて仕上げているので、窓枠が隠された開口部を通して天井と軒裏がフラットに見えるようになっているようです。
外観からは2階の軒先が二重に見えていますが、木造の屋根の下はRC造の梁せいが外壁として表れていて、その下は片持ちスラブで1.8mも跳ね出された庇です!
また、1階の天井仕上も梁の下端で高さが揃えられていますが、この広い居間だけは空間に対してのバランスをとるために天井が上げられています。
そのため、他の部屋では天井裏に隠されている梁形が居間に表れていますが、室内からは違和感ないようにデザインされています。
全体的に高さが抑えられた外観は、シンプルな水平ラインが際立っています!
コメント
コメントを投稿