茨城県近代美術館

 

「茨城県近代美術館(1988)」は地上2階に地下1階のSRC造で、千波湖のほとりに『水と緑に溶け込む』ように建てられています。
建物の外周は自然石の外壁と銅板葺きの屋根で覆われていますが、屋根の中央部分は屋上のようになっていて、ボリュームと高さが抑えられているようです。
地上1階のエントランスへは東側からスロープや階段でアプローチし、その隣には眺めのよいレストランが北向きで配置されています。

エントランスの南側では、地階が屋外と繋がるように地盤のレベルが下げられているため、建物が3階建てのように見えています。
この部分は地階に講座室と1階にアートフォーラムが配置され、2階は職員用の事務室と応接室にバルコニーが設けられています。

建物の中心に配置されたホールでは吹抜けの天井にトップライトが並んでいて、その開口部は照明器具とあわせてデザインされています!
トップライトは2階の企画展示室にも設けられ、その室内への日射は天井裏の曲面で反射されて柔らかな明かりになっていました!

ロビーは北側の中央に配置されていて、幅広いピクチャーウインドウから順光の日差を受けた湖と景色が観えるように計画されています。
開催された『東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展』の影響でしょうか?窓枠ラインが「襖の縁」のように割り付けられていて、まるで襖絵のように感じられます!
外部にはテラスも設けられていて、そこから歩道で湖畔の芝生まで繋がれていました。

来館者の主な動線は2階へスロープで上がり、階段で降りてくるように計画されていました。
1階の所蔵作品展示室はエントランスから正面に入口が配置されていて、2階の企画展示室にはエントランスの上部へスロープで上がってアクセスします。

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