葉山 海の家
「葉山 海の家」は、1957年に建てられた海水浴と簡易的な宿泊のための施設です。
敷地は西側全面が海岸に面しているので、砂浜に直接行き来できるだけでなく、そこから引き上げたボートを収納するための小屋も設けられています。
そして、海に向かって配置された建物の庭には、日除けの「よしず」を屋根に張れるテラスや、キャンバス張りの「あずまや」まで設計されていました!
砂浜からの動線にはスノコが敷かれ、屋外便所に付属の「足洗い場」と男女別の「物干し場」、さらに屋内の「シャワー室・浴室」と「ロッカー室」へ続いていきます。
東側の道路からのアプローチは、本館中央の「食堂・休憩室」から南側のロッカー室等、と2階の宿泊室部分、北側の管理部分と別棟の「家族棟」に繋がる計画です。2階の窓に設けられたアルミ板の水平ルーバーは、可動して西日を遮るようにデザインされています!
本館は木造2階建の特殊な構造で、V字状に組み合わされた通し柱が筋交いの役割も持たされ、その柱が建物全体の短手方向に並んで配置されています!
そして、長手方向では要所に丸鋼のブレースが入れられていて、床面の水平ブレースと組み合わせることで剛性のバランスが採られています。
2階床梁はV字の柱を両側から挟んで2重になっているため、スパンと跳ね出しが長くなりつつも高さが抑えられ、その下端を天井から露出させることによって天井裏の空間を小さくしています。
この建築から、造る側の規準ではなく、そこでの生活に合わせて設計するべきことを学びました。




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