明治神宮御苑

 明治神宮御苑の「隔雲亭(かくうんてい)」は1900年に建てられた数寄屋造りの茶屋ですが、現在の建物は戦災によって焼失した後の1958年に再建されているそうです。
西側の奥に配置された土間床の部屋は増築された部分と思われ、そこが外国からの来客にも茶道を楽しんでもらうための立礼席になっているようです。

残念ながら屋内までは公開されていませんでしたが、この建物は縁側や室内から庭と池を見渡せるように配置されています。
裏面の北側には玄関が設けられていて、その他に諸室も配置されていると思われます。

縁側には雨戸の内側に引き違いのガラス戸が設けられ、その上部の欄間には障子戸の外側にガラス板が嵌められているため建築が現代的に感じられます。
また、建物全体のバランスとしては、皇居東御苑の「諏訪の茶屋」と比べて若干高くなっている印象を受けます。


水辺に建てられている「四阿」は茅葺の方形屋根で、その頂点は帽子のように茅をまとめて重ねた工法が特徴的になっています。
構造躯体は樹木の幹そのままの丸太です。四隅の柱脚はコンクリートの礎石に置かれているに見え、その外側から少し細い斜材で支えられています。
その斜材の下端は地中に埋め込んで固定し、上端はツタを巻いて接合しているようですが、必要な強度を考えるとそこに金物等が隠されているのかもしれません。

柱と梁を接合している部分は、丸太を加工して隙間なく組み合わただけのようですが、そこを補強するための細い斜材はツタを巻くことで固定されているように見えます。
この建築の外観は野趣に富んでいますが、内部から見上げた天井は細かく作り込まれていて、全体的に不思議なデザインになっていました。


小さな丘の上に建てられた「四阿」では、その下に広がる花菖蒲田を眺めながら休憩することができます。
池の畔の四阿と茅葺屋根の工法は同じですが、ここでは丸太の柱脚を地中に埋め込んだことで礎石と斜材を無くし、単純で利用者の視界を遮らない構造になっています。
また、内部から見上げた天井は構造がそのまま表されていて、全体的に機能と目的に対して誠実にデザインされていると感じられました。

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